INTERVIEW

私がタイ料理店を出すきっかけとなったのは、学生時代にバックパッカーとしてひとりで、タイを一周したことが始まりでした。思えば、カオサン通りをスタートし、チェンマイ（タイの北部の都市）、また首長族に会いに、村々を象とイカダを使って移動したり、チェンライ（メコン側流域の都市）に行きメコン川をおんぼろなボートで下ったり、ミャンマーとラオスの国境で、麻薬を売られそうになったり(笑)。様々なことを体験しました。南部の都市にも電車やバスを乗り継いで移動し、タイの島々にも沢山渡ったりもしました。

様々な地方を回るたびに、タイ人の優しさやタイ文化が好きになり、特にタイ料理に、魅了されていきました。当時、バンコクにあった、おばちゃんの営むタイ屋台が好きだったのですが、ある日、朝ご飯を食べに行って注文しようとしたら、
僕の顔を見たおばちゃんが、「あなた顔色悪いね。二日酔い？？これでも食べたら？」とおかゆを出してくれました。この料理、カオトム（カオ＝ご飯・トム＝煮る）が本当に美味しくて、だし汁味も卵とじ加減も完璧で、豚肉と生姜とハーブの効いたあの味が今でも忘れられません。タイ料理・・・パクチーや辛いイメージが強くて、苦手な人も多いかもしれませんが、日本食が、ラーメンやカレー、寿司など様々な形があるのと同様に、タイ料理にも様々な料理があり、本当にそれが好きになりました。好きすぎて、帰国後タイ料理教室にも通いました(笑)

ちなみに、私は大学卒業後、２４歳で人材関係の会社を起業しており、その後、IT関連の会社などにだずさわっていたのですが、飲食店の経験は全くありません。ただ、当時から、お店をいつか出したいという夢だけをもっており、やるなら好きなタイ料理店を出したいと考えていました。タイ料理と気軽に飲めるバルスタイル（スペイン発祥のお酒と小料理が食べれるお店）のようなお洒落なお店を作りたいという思いで、２０１５年３月にイーサーン出身のタイ人シェフとその奥さんと何人かのスタッフで、本格タイ料理バルプアンというお店をスタートさせまして、そして今日にいたります。
多くの方に愛されるお店を作っていきたい。それには、お客さんにも、働くスタッフにも、みんながわくわく夢を叶える場を築き、そして、イム＆アロイ（タイ語でイム＝笑顔・アロイ＝美味しい）をかなえれる場を提供したい。そんな思いでお店を運営しております。

ワンピース（アニメ）ではないですが、私は一緒に働くスタッフ達のことを、同じ夢に向かって同じ船に乗るクルーだと考えています。一緒に、問題が起きてもそれを解決するために一緒になって切磋琢磨していける存在、ファミリーだと考えています。 ワクワクしながら、是非一緒になって、お店を盛り上げて行きましょう。